2012年03月17日

KAFKA 迷宮の悪夢

 スティーブン・ソダーバーグのデビュー作 セックスと嘘とヒテオテープは、ほかのどんな映画とも違った 監督と脚本の2役をこなしたソダーバーグは、自分の言葉で観客に語りかけていた。
 ところか、2作目のKAFKA迷宮の悪夢は大違いだ。

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10年以上前に書かれた脚本を元に、プラハで撮影されたこのスリラーを見ていると、こちらかテビュー作ではないかと思える。
 なにしろほぼ全編、借り物の寄せ集めなのだ。
オーソン・ウェルズの審判や、テリー・ギリアムの未来世紀フラジルにもよく似ている。
好きな映画のスタイルを再現したいというソダーバーグの気持ちも分からなくはないが、継ぎはぎだらけできこちない上に、情熱のかけらもない。
 主人公カフカ(ジェレミー・アイアンズ)は、保険会社に勤める内気な事務員。
ひょんなきっかけから謎めいた殺人事件に巻き込まれ、アナキスト集団と関わるようになる。
そしてついに、カフカは不気味な「城」に潜り込む。
 映画は城の場面で、官僚機構に支配された全体主義の恐怖を懇切丁寧に「解説」する(モノクロ映画だがその間だけ画面はカラー に)。
これには本物のカフカも開いた口が塞からないだろう。
 芸術映画と不条理劇、怪奇映画と初期のB級映画の要素をすべて併せ持つ映画を作ろうとしたらしいが、結局出来上かったのは、スタイリッシュでやけに自意識過剰なスリラーだ。
おまけに、肝心のスリルはどこにもない。
 一流の役者をもってしても、この映画には生命を吹き込めなかった。
 わざとらしさか先立って、生身の人間か入りこむ余地なとない。
せめて映画の雰囲気に酔いたいと思っても、のめり込めないうちに終わってしまう。
これは表面を飾っただけの表現主義だ。
 この映画で描かれているのは、カフカの抜け穀にすぎない。

【1992.5.21】
 監督 スティーブン・ソダーバーグ
 主演 ジェレミー・アイアンズ
     テレサ・ラッセルー

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posted by maxhappy at 14:57| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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